[ リニアモーターカー試乗記 ]      平成15年3月13日

    1月中旬に、家内が新聞の片隅に「リニア中央エクスプレス建設促進奈良県期成同盟会」のリニア試乗会参加者募の広

   告を見つけました。募集人員が40名なので、まずダメだろうといいながら、ダメもとで応募してみましたら、忘れた頃の2月

   
22日に「参加者決定通知」が舞い込みました。

    軽い気持ちが現実になりましたので夢のようで、早速参加手続きをとり、3月13日家内とともに試乗をしてきました。     


    そのご報告です。

    集合が、京都駅8:30、京都発8:50の「ひかり144号」で三島まで新幹線です。

    参加者は、ウィークデーであったことと、葉書1枚で2人まででしたので、大半が中高年の夫婦連れで、奈良県交通政策

   課の担当者2名と近畿日本ツーリストの係員が1名同行です。目的が目的なので、皆何となくうきうきした感じです。

    昼食を早めに新幹線車内でとっておくようにとの案内で、弁当を買い込んで新幹線乗車です。三島駅着10:56。

    三島からは観光バスですが、座席も決めてくれてありましたので手際よい乗車です。

    ここからJR東海の説明者1名が同乗してくれて、実験線までの約2時間、リニアモーターカーの説明をしてくれたり、ビデ

   オを見せてくれて、事前に大分予備知識を与えてくれました。

    東富士五湖道路、中央道河口湖線で大月までですので、富士山を期待して行きましたが、生憎曇天でその期待は外れ、

   ちょっぴり残念でした。

    13:10、バスは予定通り実験センターに到着し、細かいスケジュールの説明を受けて、一応自由行動になりました。


           
山梨県立リニア見学センター  2階展示室
                   山梨県立リニア見学センター                  2階展示室


    3階が展望室になっており、丁度我々の試乗の前の便が走行する時間帯でしたので、展示室の見学もそこそこに3階に

   移り、走行写真の撮影です。


           停車中の実験車(先頭:MLX01-1)  甲府方ポイント部
                   停車中の実験車(先頭:MLX01-1)              甲府方ポイント部


           甲府方へ出発してゆく実験車(後尾:MLX01-2)  ガイドウェイが走行方に切り替わったポイント部
              甲府方へ出発してゆく実験車(後尾:MLX01-2)      ガイドウェイが走行方に切り替わったポイント部 


           甲府方から東京方へ300km/h走行中(先頭:MLX01-2)  東京方から甲府方へ450km/h走行中
          甲府方から東京方へ300km/h走行中(先頭:MLX01-2)     東京方から甲府方へ450km/h走行中


    450km/h走行時は、前方に見えたと思ったらあっという間に通り過ぎていました。

    いよいよ我々の試乗時間が来て集合し、約20分今日の試験走行の概要の説明を受けた後乗車です。

                 試乗車両概要

    実験線の延長は18.4kmで、その間の1往復の間に、300km/h、450km/h、400km/hの3通りの走行をしてくれます。

    乗車時間は約30分です。その行程です。


甲府方                                                             東京方

                         実験センター出発
                        ←------------● 14:05              


                                     
300km/h(座席方向後向き)
                        
----------------------------------------------→


                              
450km/h(前向き)
    
←---------------------------------------------------------------------


           
400km/h(後向き)
   
--------------------------→

                             ●------→14:35
                                 実験センター到着


    乗車前にこんな乗車証明書をくれました。


               (表面)  (裏面)
                    (表面)                      (裏面)

    いよいよ乗車です。着席後、同乗してくれたJR東海の係員の説明があって発車し、スタート地点までは移動です。

    まず、甲府方のスタート地点から東京方へスタートです。滑らかな加速ですが、30秒程ですぐ300km/hが出ました。

    助走は車輪走行で、180km/h位で浮上します。後は、正に静かな飛行機に乗っている感じで、あっという間に到着点へ

   の減速です。120km/h位で着地し、停止位置までは自動車のゆっくりした減速のような感じです。

    折り返しは、同様の走行で450km/hで走ってくれました。

    実験区間18.4kmのうち16kmがトンネル区間で、明かり部分が数箇所ありますが、景色など見る余裕はありませんでし

   た。

    甲府方から、再度400km/hで折り返して実験センターに帰着です。

    車内に、速度表示のモニターがありましたが、座席が後方で、鮮明な写真を撮ることが出来ず残念でした。

    因みに、過去の実験最高速度は552km/hで、世界新記録を出しているそうです。


           中間車(MLX01-21)車内  見学センター向かいの展望広場より
                 中間車(MLX01-21)車内              見学センター向かいの展望広場より


                 展望広場からの全貌
                                    展望広場からの全貌

    リニアモーターカーには所謂運転士はいなく、すべて管理センターでの制御です。先頭車の窓は、走行監視カメラ用の窓

   です。今回の試乗で受けた印象は、まさに地上を走行する飛行機といった感じでした。

    今後も実験を繰り返し、2020年を目標に実用化にこぎつけたいとのことでした。

    ルートとしては、東京-神奈川-山梨-長野-岐阜-愛知-三重-奈良-大阪が想定され、それぞれの都府県に「リニア中央

   エクスプレス建設促進期成同盟会」が設置され、誘致促進運動を活発に展開しているようです。

    東京-大阪500kmで、総建設費5兆円だそうです。

    果たして、私の目の黒いうちに利用できるのでしょうか・・・・・。


    見学、試乗を終えて、見学センター発15:10、帰りのバスは静岡までです。

    予定通りの静岡着で、新幹線は静岡17:55発「ひかり169号」です。夕食の弁当とビールを買って乗り込み、家内と

   今日の1日を反芻しているとすぐ京都20:29着です。改札を出て、お世話になった係員の人達に挨拶して分かれました

   が、今回幸いにも試乗会に当選し、本当にいい経験をしたと喜んでおります。


    1日も早い「リニア中央新幹線」の開業を期待したいと思います。

                                                                以上

  [報道記事]

     ・ 平成19年4月27日(金) 読売新聞(朝刊)       (こちら)

                                      

                                戻る